2020年8月5日

マーケティングの新たな多面的役割

マーケティングの役割が変わってきました。CMOやマーケティングの責任者が、新しい流通チャネル、デバイス、顧客接点において変化し続ける顧客のニーズに対応していく中で、マーケティング自体が、単に目を見張るようなクリエイティブや効果的なストーリーテリング以上の責任を担うようになってきています。マーケティングは現在、データ分析、カスタマーエクスペリエンス、デジタル、モバイル、ウェブ開発、テクノロジー戦略、そしてこれら視認性が高く、影響力も高い領域に付随するすべてのことを直接的に担っています。

これらの新しい領域で期待される結果を達成し、ヒューマンエクスペリエンスを向上させるためには、マーケティング組織は、最高級の結果をもたらす顧客価値を提供するための能力とプラットフォームを所有する必要があります。しかし、これらの目標を実現する上での重要な障害は、問題を解決するマーケティングテクノロジー(MarTech)が豊富にあるがゆえに生じる、かつてないほどの複雑さをいかに乗り越えるかということです。

すべてを理解する: 6Cフレームワーク

CMOやマーケティング責任者は、人、プロセス、テクノロジーを横断してMarTechやそのプラットフォームを活用する方法を、どのようにして整理し、シンプルにすることができるのでしょうか?

(フレームワークの図)

Deloitte Digitalは、幅広い業界でクライアントのカスタマーエンゲージメントの向上を支援してきた豊富な経験を活かして、「MarTechの6つのC」と呼べる包括された重点領域からなるシンプルなフレームワークを開発しました。このフレームワークは、企業がヒューマンエクスペリエンスを向上させ、完全にデジタル化された未来に向けて加速することを目的とした、勝つための首尾一貫した戦略を策定するのに役立ちます。

6Cフレームワークは、今日のMarTechの現状について見落とされがちな事実を示しています。 どのような組織でも、人、プロセス、テクノロジーが一体となって機能し、ヒューマンエクスペリエンスを向上させるために必要な相乗効果を発揮しなければならないということです。 6Cフレームワークの各要素は必須であり、相互にリンクしています。どのグループ、取り組み、プラットフォームもサイロ化された状態では、ヒューマンエクスペリエンスに意味のあるインパクトを与えることはできません。

6つのCフレームワークの中心となるのは、マーケティング組織がヒューマンエクスペリエンスを向上させるためにオーナーシップを発揮し、洗練させなければならない高度な能力です。それは、クリエイティブやコンテンツ、キャンペーン、コマース、カスタマー360(全方位からの顧客分析)から構成されます。

堅牢でアクセスしやすい顧客分析(カスタマー360)を確立し、すべての顧客の活動を一元化

顧客の属性、行動、ニーズに対する360度からの分析を確立することで、システムとビジネスユニットの間に存在する可能性のある亀裂を本質的に埋めることができます。組織もまた、デジタル領域で、新しいオーディエンスを獲得し、全く情報のない状態から顧客理解を深めていくための戦術を展開しています。単純なデータ収集、管理、レポートを超えて、統合された顧客データ管理(CDP)と意思決定能力へと移行することが強く求められています。これは、マーケティング能力全体のオーケストレーションを促進し、より高度なヒューマンエクスペリエンスを提供するのに役立ちます。

関連性の高いデータ駆動型のクリエイティブおよびコンテンツ体験の創出

今日では、一貫性、パーソナライゼーション、関連性を備えた顧客に対応する魅力的なデジタル資産が必要とされています。支援AI を用いたコンテンツ作成やダイナミックなクリエイティブ最適化などの機能を活用することで、ブランドはチャネル横断的なクリアなメッセージを確立することができ、ビジネスサイロを越えてコンテンツストレージにアクセスすることを可能にし、コンテンツの自動化とパーソナライゼーションの課題を解決することができます。

成長を促進し、インパクトのあるキャンペーンを展開

すべてのキャンペーンは、特定のビジネス目標に基づいて、ターゲットを絞ったエクスペリエンスとアセットに基づいて設計し、展開する必要があります。最先端のMarTechソリューションは、データ駆動型のジャーニーオーケストレーションと常設キャンペーン(行動ベースでの展開、デバイス、チャネルの考慮を含む)により、ブランドが最も関連性の高いコンテキストで顧客と触れ合うことを助け、コンバージョンとトランザクションを大規模に推進することができます。

測定可能で、インサイトを促すコマースの推進

今日、ブランドが解決しようとしている最大のチャレンジの1つは、オンラインでの行動とオフラインでの購買を結びつけ、デジタル投資のROIを確保することです。最高級のECブランドは、「リードロイヤルティ」機能、AR、VR(没入型体験)を活用して、コンバージョンの向上と消費者のインサイトを促進しています。これらのトランザクションとタッチポイントによるインサイトはすべて、顧客のデータとインサイトの「ハブ」に直接送られる必要があります。

このように、これら4つの能力を駆使したマーケティングの開発と展開は、極めてイテレイティブなものですが、プロセスとそれを実現する人材という付加的な要素が不可欠です。強力なテクノロジーと能力を、効果的なコラボレーションとチェンジマネジメントと組み合わせることで、ブランドはより価値のある永続的な変化を推進することができます。

健全なコラボレーションを通して流れを生み出す

マーケティング活動の成功は、顧客のライフサイクルを考慮した先見性のある計画を立てることから始まります。明確な戦略的根拠、指定された役割と責任、およびマーケティング、財務、IT、プロダクトなどのステークホルダーを含んだクロスファンクショナルグループのすべての活動のための実行計画を持つことにより、チームは成果を生み出す最高級のエクスペリエンスに迅速にとりかかり、提供し、最適化することができます。

広範なチェンジマネジメントで、これからの道のりに備える

デジタルトランスフォーメーションはサイロ化した組織では起こりません。マーケティングが自らを再編成しようとしている今、組織内に変革を導入し、持続させるための強力でインパクトのある方法が必要です。組織のすべてのレベル、パートナー、協力者がトランスフォーメーションを成功させ、持続させるための役割を果たす必要がありますが、それを可能にするのは、強力でインパクトのあるチェンジマネジメント計画です。

ヒューマンエクスペリエンスを向上させたいという熱意に導かれて、6つのCを適用してアプローチをシンプルにしたブランドは、その能力を向上させるだけでなく、真のトランスフォーメーションに必要なプロセスと持続的な変革を確立することができます。

目的地へたどり着くには、信頼できるパートナーを見つける

MarTechをシンプルにする旅路の同伴者として、私達がいます。デロイトは、大手テクノロジー企業と連携し、CMOやブランドがマーケティング能力を持つ組織の課題を簡素化するための支援を行っています。詳細についてはお問い合わせいただくか、www.deloittedigital.com をご覧ください。他の企業がどのように未来を想像し、実現し、実行しているかをご覧いただけます。

プロフェッショナル

森 正弥/Masaya Mori

デロイト トーマツ コンサルティング 執行役員

外資系コンサルティング会社、グローバルインターネット企業を経て現職。ECや金融における先端技術を活用した新規事業創出、大規模組織マネジメントに従事。世界各国の研究開発を指揮していた経験からDX立案・遂行、DX組織構築、ビッグデータ、AI、5Gのビジネス活用に強みを持つ。過去に情報処理学会ア ...さらに見る

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